
私という存在を、心を体を信じなさい。
北極圏に近い場所で過ごす最初の数日。
まずバンクーバー島、ユーコン、アラスカへ。
青白い夜明けの頃、空港に降り立ちました。
大陸が見えてきた時、右前方にはシアトルのマウントレーニアがサファイヤのようで
すぐ下には、カナダのロッキー山脈や美しい弧を描く川が見えました。
無形の扉がひらいたような気分。
知らない国だけど、いつも懐かしく想う旅の不思議。
雪の中で、数日間イヌイットやファーストネイションの叡智や鼓動をすぐそばで感じました。
月や太陽を創造したワタリガラスの神話は、20年以上前から私の中で生きていて
彼らの末裔の方が、声(音)で伝承している映像を見たことがありました。
何にも頼らず大いなるものと常に繋がっていた先人たちの気配を
荘厳な自然の中でいつも感じながら、その声を聞いているようでした。
星野道夫さんの本を何冊も読んでいた私が、彼の瞳に映った世界に立っている。
瞼に積もる雪も何もかもが輝いて、夜には遠くで美しい動物の声が響きました。
そして、雪に音が消えるノルディックエリアの静寂の森でヨガとメディテーションを。
ここ1年触れてきた智慧が、全て繋がり明晰夢のような時間。
バンクーバー島では、鯨のの気配の中サーフポイントへ。
旅に出るとき、行く先もプランも全てインスピレーション任せの私。
答えは全て内側なのだと旅の中で毎回確認しています。
日常の中でまるまる全てを肯定することは、そうないかもしれないけれど
シンクロが次々つながる旅に出ると、ああ今の自分で大丈夫だと確信します。
出会う人も、サプライズも、アクシデントも、口にするものも、目の前の全ての光景が
自分に必要な場所や出会いまで運んでくれる。
知っているんだよ、自分が何を選べば喜ぶのかを。
全ての先人も宇宙を描くと同時に、そんなことを伝えてくれているような気がしました。
旅の途中、幻想的な光景を目にしました。
雪の上に何本も夜の天空から虹の柱が降りてきたのです。
手を合わせたくなるような美しさ。
星の上の方でも、小さな幸せは待っていました。
