
惑星たちが新たな巡りを始めるとき、
命は続き終わることがないことを知る。
星の人と呼ばれるネイティブハワイアンの暦では、
冬至は新しい1年の始まりです。
冬至の日、自然の中で何も飲食をしないで、
ちょうどプレアデス星群が頭上に訪れる深夜、
チャンティングなどのイニシエーションが始まります。
終わりゆく1年に感謝して、始まりゆく1年を祝福します。
バリ島でも同じような新年の儀式があると昔聞きました。
何も飲食しないで、言葉を発しないで、人々は気配を消し、
まだ人間がいなかった頃の地球に戻して感謝だけになって過ごす。
ハワイでは、この宇宙も全ての生命も終わりがなく巡ることを
儀式の中でフラを踊りチャンティングしながら顕しているそうです。
冬至に踊るカヒコ(伝統フラ)の最後に
終わりを告げるパフ(太鼓)のサウンドが入らないのも
永遠を顕す象徴です。
不確かな目に映らない世界の中で、
確かに感じる天から降り注ぐエネルギー。
星の人々は、古代から全身で感じていたのかもしれません。
私たちは冬至の朝、この島で最も精霊が存在する森で過ごしました。
時折、ミストや木漏れ日が降り注ぎます。
森の奥へ進むたびに、体が半透明になって植物の香りで満ちてゆく。
やがて、インスピレーションポイントという場所まで来て
しばらく皆で瞑想に入りました。
深く心だけになっていくと、体内に流れる川や
普段聞こえない音を心が辿り始めます。
時折、花の香りの帯が顔を掠めては
遠く彼方で金星が瞬く気配も感じる。
森の奥では、小さな滝がとうとうと小川を作っていました。
精霊、メネフネたちが至る場所で囁く場所。
星の人たちが伝える、終わりがないということ。
夜、星々の音が轟く空を見ながら想いを馳せました。
意図があるように問いかけると強く吹く風や
伝説にリンクするような夢たち。
憶えていないようなことも、意識の底に存在して意味を持ち
私たちは変化しながら星も全ての生命も宇宙も続いていく。
この果てしない旅を、皆が繋いで同じ時を生きている。
そんなことを感じたら、言葉は音楽のように聴こえ始め
光と影が入れ替わる瞬間を垣間見たような気がしました。
古代のハワイでは、もう新しい輪が廻り始めました。
美しいはじまりを。
