
植物を人の心と手で昇華させた心地よさ。
リネンが好きです。 亜麻で織られた布は、小さく刻まれる皺に光を取り込む風合いがあって さらりとしている肌触りなのに、水の存在を感じます。 染めてあるものでも、麻の呼吸が残っているようで いつも自然に触れたくなるのです。
寝室のベッドリネンやいくつかのピローは、 白とライトグレーのヘビーリネンという厚手のものと 柔らかくて軽いリネンを無造作に重ねてベッドメイキングしています。 身に纏うもの、包まれるものは白が多い。 余計なものを全て浄化してくれるような気持ちになります。 洗いたてにくるまって眠るときは至福。 毎週ざぶざぶ洗い続けても、さっと気持ち良く乾いて結構丈夫。 フランスやラトビアのものを愛用しています。
ソファーまわりや、ポーチ、大きめのトートバッグ、 バスローブ、ワンピースやシャツ、ヨガパンツやビスチェ。 心に留まったものが少しづつ集まりました。 カントリー調のベージュのリネンが少し苦手で、 曖昧な移りゆく空のような色や、敢えて外した名前のない、 そんな色に魅かれます。

触れること。
全ての命にとって、体や姿がある上で「触れる」という感覚は 伝わり、交換し、慈しむアンテナのようなもののような気がします。 ハワイで暮らすようになって、日常的にハグをして抱きしめ合うようになりました。 今出会ったばかりの人でも、触れ合うと心はひらいて何かがお互いを行き来し始めます。
リネンが好きなのも、いつもさりげなく伝えてくれる気がします。 自分が自然の一部だということや、気持ちがいいことに向かうように。
夜が明ける頃、波のひとつひとつが全く違う様子に 瞬きを忘れ、いつまでもみつめていました。
なんて美しい世界なんだろう。
そばには、麻のブランケットがいてくれました。
