
植物のように生きたい。
植物や木の存在は、子供の頃から特別でした。
庭の植物たちの呼吸や香りは、インスピレーションをくれます。
大人になると、もっと大きな自然へ向かうことに
強い引力を感じました。
日常都心で過ごす私は、時間を作っては小さな旅を繰り返しました。
植物や木々の中に佇むと細胞がひらいて
何かを受け取っているかのよう。
葉が風に翻り光に照らされて、一斉に銀色に輝く様子や
植物が水を吸い上げて命を外へ放出している香りも感じる。
その時間は、全てのアンテナが起動して
何もかもが微細なレベルまで伝わり、ひとつになっていく。
夜明けにヨガをしようと、深い夜に森へ入ったことがありました。
明かりを消すと、漆黒の闇。
怖いという感覚は全くありませんでした。
ただ、いつもより植物たちの気配が濃密で
自分の呼吸も深くなったことを覚えています。
東京の時間は、子供の頃からいつも濃くて速かった。
そのバランスを取るかのように、植物は寄り添ってくれていました。
ハワイで暮らすことになった理由のひとつは、
植物たちの存在感が大きいということ。
研ぎ澄まされて、あるべき場所へ還っていく。
ここの植物たちも、ただ静かに存在してそれを魅せてくれます。
植物のような存在になりたい。
ずっとそう想っているけれど、おばあちゃんの頃には
叶うかな。
小さな苗だったリリコイが、あっという間にジャングルになって
出窓を覆い、壁に黄金の鳥たちが羽ばたいています。
